過労死対策を提言へ 遺族などで作る学会発足
NHKニュース 2015年5月23日
去年、過労死を防ぐ対策を国に義務づけた「過労死防止法」が施行されたことを受けて、民間からも過労死や過労自殺の対策を提言しようと、遺族や研究者らで作る「過労死防止学会」が発足しました。
23日は東京・千代田区で「過労死防止学会」の設立大会が開かれ、過労で亡くなった人の遺族や大学教授などの研究者、それに医師、弁護士などおよそ160人が参加しました。
去年、施行された「過労死防止法」では国が過労死の実態を調査し、対策を進めることになっていますが、この組織では民間の立場で調査・研究を行って効果的な対策について提言することにしています。
大会では全国過労死を考える家族の会の代表で、夫を過労自殺で亡くした寺西笑子さんが「法律ができたことで、ようやく過労死の問題に広く関心を持ってもらえるようになりました。過労死のない社会を実現するため、調査や研究を進めてほしい」と訴えました。
発起人の1人、関西大学の森岡孝二名誉教授は「過労死をなくすには医療、法律、経済などさまざまな専門家が連携して研究していく必要がある。多くの遺族が参加しているのでできるかぎり、実態を調査して民間の立場から国などに提言していきたい」と話していました。