過労死防止学会

Japan Society for Karoshi Research

過労死防止学会第2回大会が開かれました

2016年5月21日と22日、関西大学千里山キャンパスの第2学舎と100周年記念会館を会場に、過労死防止学会第2回大会が開催されました。大会運営では会場変更などでご迷惑をおかけした点もありましたが、初日の国際シンポと、2日目の分科会および共通論題について、多くの参加者から「よかった」「充実した大会だった」という感想を聞きました。以下、各セッションの報告者と演題を掲げておきます。

初日の22日午後は「過重労働による健康障害と労働時間規制」をテーマに日韓仏の国際シンポジウムがありました。シンポの報告者と演題を示しておきます。

天笠 崇さん: 代々木病院精神科医師
□精神医学から見た日本の過労自殺対策と過労死防止法
イム・サンヒョクさん: 労働環境健康研究所所長
□韓国における過労死問題の現状と課題
フランス: セバスチャン・ルシュバリエさん 国立社会科学高等研究院教授
□フランスの週35時間制:時短の一方で労働強度の増大と作業組織の再編で
高まるストレス

司会は脇田 滋さんと清水耕一さんに、通訳は韓国語を呉民淑(オ・ミンスク)さん、フランス語を須田洋平さんにしていただきました。

22日午前は以下の4つの分科会が持たれました。

第1分科会 道路旅客運送業の労働実態と時間規制
司会:中原のり子さん 助言者:川人 博さん
1.松下末宏さん 軽井沢スキーツアーバス転落事故について
2.中部 剛さん 西日本高速過労死事件にみる休息の取れない勤務体制
3.森岡孝二さん 道路貨物・旅客運送業の超長時間労働の実態

第2分科会 教員の過重労働と公務災害
司会:成瀬龍夫さん 助言者:松丸 正さん
1.中野淑子 公務災害認定に係る諸問題と課題
2. 尾崎正典 障害者支援教室で発生した公務災害
3.前川珠子 東北大学教員の過労死事件について

第3分科会 ホワイトカラーの労働時間管理
司会:寺西笑子さん 助言者:櫻井純理
1.石川啓雅さん 技術サービスにおける労働(残業)時間管理の問題点
―建設・土木の調査設計業を事例にして―
2.松浦 章さん ホワイトカラーの長時間労働と「裁量労働制」
3.渡辺喜代子さん 商社の過労死事件における企業の責任と義務

第4分科会 若者の過重労働 司会:青木圭介(研) 助言者:中西 基(弁)
1.大利英昭さん 新人看護師の超勤実態と過労
2.色部 祐さん 外国人技能実習生の労災問題について
3.中澤 誠さん ワタミ過労死事件と和解の社会的意義
22日午後の共通論題「過労死防止法・大綱と労働時間の制限・短縮」をテーマに報告と討論が行われました。司会:西谷 敏さん、上出恭子さん

<報告者>
岩城 穣さん 過労死防止法と大綱の意義と課題について
西垣迪世さん 兵庫県における過労死防止の取り組みの経過と現状
秋山正臣さん 長時間労働の解消と過労死防止の課題

<予定討論者>
柏原英人さん 過労死防止活動と長時間労働改善の展望
伍賀一道さん 雇用・労働の規制緩和と過労死問題

第2回大会の参加者総数は受付の記録では115名でした。まだ正確な確認はまだできていませんが、会員・非会員を合わせて20名前後の(事前の出席回答のない)当日参加者がいました。セッション別の人数は国際シンポ95名、共通論題90名、4分科会合計85名でした。

最後に会場の手配や当日の準備と進行で世話になった関西大学経済学部の樫原正澄先生にお礼を申し上げます。

会場写真(高田好章さん提供)

国際シンポ

国際シンポ2